翔田真央(1-2)
箱館エリィ(1-4)
るあん(1-4)
星野結子(1-4)
宇佐美なつ(1-4)
朝からうきうきで道劇へ。3回目ともなれば飽きてもよさそうだけど、今日は武藤さんに加え『イルミナ』編集のうさぎいぬさんもいらっしゃるとのことで、宇佐美さんも含め自分を「ストリップに叩き落とした」原因の3名が一堂に会することで、ことに楽しみだった。
前半は中央3列目下手寄りから、後半空いたところで更に下手奥へ移動。
こうやって同じ週に通い続けることで、やはりいろいろなことが見えてくる。演目のみならず、それぞれのコンディションや、客席の空気によって変わるライブ感、また自分自身の受け取りの変化等々。いまはコロナ関係なしに旅を休んでいる、どくんご以来の感覚。
変とかおもしろいと言い続けてる箱館エリィさん「炎のファイター」は、いよいよキレも増してきている。
これは演目のおもしろさばかりでなく、箱館さんの裸のよさが際立ってもいる。実際に筋肉質であるというかっこうよさばかりでなく、じつに堂々とした裸で、ユーモアを支えきれる強い裸という印象。あの誰もが知る有名曲でポーズのLを作るとき、ほんとうに爽快で、同時に笑えてしまう。
宇佐美さんに関しては、もういちいち書くことがないのでは、ということはまったくなくて、毎回何かしら発見がある。
そもそも「Bubble」なんて、何回観たって飽きるはずがないすっ飛ばし方。お手製のプレイリストを聴き込んで(訊けば教えていただけるのだけど、自分で探す労くらい取らないと、というへんな気持ちが芽生えはじめた)、どの音に何の動きが当てられているのかを確かめるように見る。そんなふうにしたからといって、観察的に身体が引っ込んでしまうわけではなく、ぐいぐい入り込んでしまう。"振りコピ"をしたくなる気持ちになる。
宇佐美さんの選曲は、自分の趣味とまったく違っていて、その曲を聴いても、いっこうに動きが立ち上がってこない種類の曲ばかりといってもいい。だからかえって、思いもよらない気づきが与えられるし、宇佐美さんに見えている動きの線が、曲を介してこちらにも理解できるようになる。また、繊細に音を拾うだけでなく、無理に拾いきらず、ある程度は手数で間を埋めてしまう押し引きがやはり巧み。初見のときにも書いたけど、宇佐美さんのダンスは超絶スキルのゲーマーのプレイを見てるような気分にもなる。コース取りが的確かつ大胆で、それを見てるだけで、とにかく気持ちよくなれる。
周年作は、見るたび前半のよさがしみじみと深まっていく。とくに4回目は踊りの力加減が心地よく、小さい音がはっとするほど鮮やかに耳に入ってくる。その積み重ねだけで、涙が出てしまう。
ベッドは、かなり見慣れてきて、その振付としての再現性の高さに驚いていたりする。だからといって、演技っぽいとか嘘くさいということでもないし、リアリティを押し付けられている感じもない。
大前提として、宇佐美さんの踊りが好きだから何回も観に行っているわけだけど、必ずしもその「好き」の同質を反復したいわけではなく、どちらかというと自分の体を使って人体実験にかけているニュアンスのほうが強い。
たとえば周年作も、初見では手に力が入っていたのがわかったし、2回目ではより強く全身凝ってしまうほど力み、1日空けての3回目は、慣れや環境も手伝って逆にリラックスしたために"入りまくって"泣いてしまったりする。それを見ることによる身体の反応は毎回異なっているし、この異なりを探しに行っている。これは単なる観客のコンディションの問題としてだけ済ませられることではなく、どうやっても見通すことができない大きな作品に対して、その都度ちょっとずつ角度を変えて接し直すような、地味な作業を試しているということ。
宇佐美さんの踊りを見るとき、最近はより表情にフォーカスしていることに気づく。基本的にそれすらも振付の一部である宇佐美さんのくるくる変わる表情がオナベに捧げられるとき、固く閉じた眼と半ばに開く口をずっと維持し続ける。長いつけまつ毛が鋭く宙に立つ。
その顔からエロさより悲しげなものを見てしまうのはこちらの投影だけなのかなんなのか、5回観ても全然分からない。投影だとして、どうして悲しげなものを見てしまう自分がいるのか、分からない。そして、全然分からない気持ちを維持し続けることでしか、演目との距離は測れない。
しかし、どうでもいいことだけど、独りよがりな行為を指して「あれはオナニーだ」と言うのが、品がなくて昔からとても嫌いだったのだけど、こういうパフォーマンスを観てしまうと、品がどうこうすらぶっ飛ばして、そもそもそんな事を言うやつは、オナニーに対して本気の人間を観たことがないだけに過ぎない、と胸を張って言えるようになる。
慣れてきたとはいえ、パフォーマンスが終わって暗転から明転してもスッと現実の時間に戻れないでいる。この演目に関しては「観ている」というか「立ち会っている」気持ちにさせられるし、パフォーマンスとしてあまりにもまっとうすぎて、ふだんの曖昧で雑な自分を立て直すのに時間がかかる。そんな気持ちになっているところに、外を歩こうものなら一撃で逮捕されそうな衣装でカラッと舞台に戻ってくる宇佐美さんを見ると「何なんだよ!」と理不尽な思いが湧いたりする。
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