2021年7月13日火曜日

7月13日(火)[渋谷道頓堀劇場]

翔田真央(1-2)
箱館エリィ(1-2)
るあん(1-2)
星野結子(1-2)
宇佐美なつ(1-2)


ふと、宇佐美さんを見るとき誰かと一緒のことが多くて、あまりひとりで見れていないなと気づき、じゃあ今日行くかと決めた。突発行動しかしていない。
場内さすがのゆったりした塩梅で、センター三列目に構える。映画や演劇ではまず避ける位置だけど、平面も奥行きも取れるので、案外いい。


箱館さんの奇数回演目はあいかわらず変。楽しい。
このとき、客席にいた男性が理想的なウケ方をしていて、ついそちらを何度も見てしまった。笑い顔がじつにチャーミングで、それと舞台を交互に見ているうち、自分が今舞台に立ってるような錯覚に陥る。あんなお客さんがいたら、絶対ノってしまう。


宇佐美さん。「Bubble」バカ最高。体に入りまくる。ダンスという、音楽を介した身体間の同期は、振付による意想外な音楽解釈=部分的非同期が生じることで、埋めがたい他者性があらわになる。このズレ、あるいは剥離こそが、より強い官能。振付の押韻的な形態・フレーズの反復がM1,M2を繋いで、深く、そして太いグルーヴを練り上げていく。終わったら即、もう一度観たくなる。無理ですか。

周年作。ラストに気を取られていた一昨日とちがって、M2,M3の良さをしみじみ感じる。それにしても、宇佐美さんの選曲における歌詞の比重は相当。踊りを見て、メロディやリズムも体感しながら、同時に歌詞の意味も取ろうとするチャンネルが同時並行で動いてしまうので、一回では見切れる感じがしない。から、こうして来てしまう。言い訳か、いや、そんなことは...

場内、ゆったりながらカップルも二組いて女性も観ていたのだけど、ラストのオナベのハードさを見守る姿を見ていると、必ずしもスッとは受け取れない表現へ立ち会ってること自体への感動が起きてしまう。しかしそれも同時並行的なことだった。宇佐美さんのパフォーマンス中の表情を観ていると、なにか強い感情移入が起きて、ものすごく引っ張られてしまい、涙が出てしまう。とはいえこのくらいなら、と思っていたのだけど、ラストの立ち姿があまりに美しくて、堪えきれないものがせり上がってしまう。それでも抑えたほうだと思う。皆泣いてなさそうなので、怖がらせてもなんですし...(昔、あるダンスの公演で、終演の暗転後にいきなり大声で嗚咽しだしたお客さんがいてびっくりしたことがあった。私も変わらない...)

こうしたディティールがなぜそんなにも刺してくるのか、ということは必ずしも説明可能ではないのだけど、片手に持たれたヨレたパンツが絶妙の鍵でもあって、あれが捨てられてるのと、ちゃんと持たれているのとでは、まったく違う出来事なのではないかと感じた。
演目がもつ強さ、パフォーマンスの強さはもちろん揺るぎないものだと思いつつ、宇佐美さんに関してはちょっと強く肩入れして観てしまっているから、持っていかれがちなのかもしれない。

ポラのとき(不明に泣いているのでバタバタさせてしまった)、他の人の感想を訊いてみたらば、わりと率直に興奮したという人たちもいるらしく、なるほどなあと思った。
自分はぜんぜんエロに対して感度が違うというか低いというか、それがふつうに興奮したりそそられるものだったりする可能性を、ほとんど考えられていない。そういう趣味がなさすぎるので不適当なのかもしれないけれど、オナベ中は「寝取られ」のような、そこにいる(肉体がある)のに、そこにいない(心がここにない)感じというか、ややネガティブな分離感を感じたりはする(からこそ、前回のような印象に繋がってる)。
当然、「ストリップはエロでなく芸術」なんて思うはずもないけど、ストリップからエロを感じる具体性はすごーく低い。Aセクシャルだとか、そういうことでもない。
あるいは、ダンスそのものや劇的構造から、強い情動なり興奮を引っ張ってこれる、ということを性的な体験のバリエーションとして理解したほうがいいのかもしれない。以前もツイートしたことがあるが、音楽を聴くということの官能は、ストリップを見ることで、もともとがセクシャルなものだと断言されるような感覚になるし、自分は自分で官能を非性器的にガンガン感じまくってる、ということなのだろう、か?

このやり取りで、「そういう感想(自分のような込み入った感想と率直な興奮の報告が同列に)もあるのがストリップのいいところだと思う」と宇佐美さんは言ったけれど、ほんとうにそのとおりだと思う。

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