2022年1月29日土曜日

1月28日(金)[渋谷道頓堀劇場]

御幸奈々(2)
白雪(2)
MINAMI(2)
萩尾のばら(1-2)
中条彩乃(1-2)
宇佐美なつ(1-2)


昼間の予定が(自分の勘違いで)飛んで、どうしようかな...と悩んだ挙げ句に一番楽しそうな場所に行くことにした。こういう突発行動がいちばん自分を生き生きさせる。一回半しか見なかったが、むちゃくちゃ楽しかった。


白雪さん。振付が変わることが当たり前になっている。またこの回、御幸奈々さんのグルーヴのバトンを受け取ったように、はちきれんばかりの笑顔で踊りきっていて、うっかり曲の終わりから振りがはみ出たことに声を出して笑っていたりする。そうだね、楽しいねという気持ちになる。
それがパフォーマンスの最善・最高のあり方ではないにせよ、こうも「楽しむ気持ち」が具体的な形の変化を伴って表れるパフォーマーを、実感的にほとんど知らない。即興とはいえ、都度に確定的な表現を目指そうとしている質感も絶えない。そうした姿勢は虚心に勉強になる。
白雪さんには、もはや未熟という意味での「新人」というフレームも不適当だが、かといって恐れを知らない子供が無邪気に遊び倒しているようでもあり、次がどうなるかわからなかったり、いらぬ老婆心を刺激するという意味では紛れもなく「新人」でもある。


宇佐美さん。『アブダクション』。件の一発目のポーズで胸を鷲掴みにしていて、むちゃくちゃにいい。デフォルトにしてほしい。
今日もエロい目で見てる、とか突っ込まれてしまったが、なんかこの人にはもうそういう部分を預けてもいいかなという心的な余裕が、楽しむ姿勢を広げている部分は大いにある。
演目に対するスタンスもあっという間に軟化してしまったけど、普通の会話のやり取りを重ねて見方が変わっていくような部分はおそらくあり、それでは「批評」は成立しないのだろうけど(たまに誤解されるけど、自分は「批評」には一切関心ない)、宇佐美さんのやることにアジャストする喜びがあり、それはそれでいい、はず。「はず」、というくらいギリギリのためらいは少し残しつつ。

『アンビバレント』。初出しの頃に、特に立ち上がりの空気が『positive』に似ているという話をしたことがあるけれど、演目全体を通じて『positive』と違わない多幸感がむせ返るように香ってくるようになって、看板演目のひとつに育ってきている気がする。
実際、同じくらい手数を詰め込んで踊る演目にしたいという狙いがあったらしく、そう思うと踊りというタスク(木村覚がダンスとゲームの相似として「タスク」概念を書いていたような)をバシバシと処理していくことから喜びを汲み上げるような側面が宇佐美さんにはあるのかもしれない。作業興奮的な。作業興奮があんなにも野獣のようなポーズを切らせるということが驚きということには変わりない。まさごからさらに確度をあげて、『アンビバレント』だから見られるポーズが完成しつつある。


今週、ずっとかぶりついて見てるわけではないどころか、比較的割り切って抜けているけど、連続して見てるとほんとうにポジティブな空気のある香盤で楽しい。楽しませようというホスピタリティが、踊り子さん自身の自由を求める気持ちと不可分で、そんなことが可能な場所って他にどこがあるのかなとうらやましくなる。

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