2022年3月19日土曜日

3月18日(金)[渋谷道頓堀劇場]

愛奈(1-2)
夢乃うさぎ(1-2)
JUN(1-2)
ささきさち(1-2)
武藤つぐみ(1-2)


ささきさん、見る回を追うごとにフィットするようになってきているのと、おそらくはささきさんの踊りの変化(追い切れるほど見ていないのでまったく頼りないが)が噛み合って、1回目の『海』M1から異様に入ってくる。
ささきさんの踊りは、それこそストリップ劇場にしかないようなノンジャンルな踊りであって、いわゆる技巧を基準に見ても何も意味がない踊りだろう。だが、それがどういうものなのかを絞り込もうにも、うまく手繰り寄せられない。誰であれ、あのように踊れば客観的に「良さ」が確保できるだろうと予想できる踊りはある。しかしながら、ささきさんのように踊ってもどのような効果が期待できるか、よく分からないと思う。ではそれが「癖」に基づく観客のフェティッシュをくすぐるものなのかというと、そうでもない。動作と動作の間を繋ぐグルーヴに乏しく、一動作ごとにリセットされるような動き。しかしそれが単調かというとそうも言い切れず...そして、最初に言ったようにささきさんの踊りの大枠のスタイルは変わらないものの、何かが変質してより良き踊りになっていると感じる。

盆入りして仰け反り気味に仰向けでジッパーをガッと降ろすと、途端に空間が変質する。そのまま服を取り去って、仰向けのまま胸をもみしだいてオナベに。このエロさの感触は、見ているときにどうしようもなく高まるのに、終わってしまうと余韻なく消え去ってしまう。それが不満足ということではないのだが、あの濃厚なエロがあとを引かずになくなってしまうことを不思議に思う。
『デビュー作』に顕著だったのだが、ささきさんのベッドはどのタイミングでどういう動きの遷移があったかひじょうに記憶しづらい。その覚えづらさがエロの消え去りと関係しているのかどうか。『海』に関してはポーズ順を記憶するよう努めたが、それで確かになる部分はあれど、肝心の芯の部分の感覚を失っているような気がする。

寒の戻りで冷えた日に似合わない汗がささきさんの背中を伝うほどに熱量と集中があり、自分のささきさん観劇経験の中でも指折りのものになった。

『Touch』。蕨よりグッとよく見える。M2ラスト、手をL字に広げたポーズが続いたままM3のイントロが入ってくる。飛躍はまったく意図的に仕掛けられたものではない(!)そうだが、にこやかな笑顔がそれだけに狂気じみてみえてくるような、そしてその狂いの内から折り返される視線の強さに脳がすっ飛ぶような感覚になる。あれ、ストリップを見ていてこの感じになるのはいつ以来だったか...と、じゅうぶん充実している今年の観劇の記憶を引き出しても、それほど類する記憶がない。ベッドでは一般に泳ぐような、または揺蕩うような腕の動きがあるのに、このベッドでは不随意に力むような動きが見える。肌を撫で下ろす手は所々で力みによって不規則に引っかかるようで、それがまた何と言っていいか分からない感覚を与える。しかしあまり「意味」を求めてなされた動きではなさそうで、どのような狙いがあるか読めず、ご本人に尋ねるのもむずかしいものがあった。まあ、こちらが気持ちよければ全然構わないのではあるが...

誰が見ても、と各々の多様な好みを捨象して思ってしまうが、ささきさんのプロポーションは相当に美しい...いや、というのもちょっと違っていて、しかし「良い」というときに含まれるあからさまな性的視線にも違和感があり...いや、すっぱり「良い」体といってしまったほうがいいのかもしれない。
ただ『海』のオナベの放心や『デビュー作』その他にある強い視線は、体から催す感興をイデアルに高めて体を理想化させるものではなく、常にそのときそのときで具体的に何かが現象するパフォーマンスがもたらすところの"生々しさ"がある。だからこそ「美し」さよりは「良い」と感じる自分自身の生々しさも認めるべきで、むしろその契機をこそ、ささきさんのステージで体験したいのだろう。

自分の屈折とパフォーマンスの曰く言い難さが綯い交ぜになっていて、めっちゃ面白いけどこれなんなんだ〜!?と、ストリップ体験初期の感覚に陥った。


また劇場で知り合いができた。例によってこちらから話しかけたのだが、あいかわらず流れで"自然に知り合いが増える"という経験がほぼない。そんなにとっつきにくそうに見えるのかな〜...

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